黒沢律子

GPz069. RIZCO 「月蝕」- リツコさん、ここに極まる

Rizco

 以前一度紹介した黒沢律子さんが、90年代末にRIZCO名義(正確にはZの上に"・・"が付きます)で出したアルバム。

【特徴】
 以前から安定した歌唱力が持ち味でしたが、一層磨きがかかり、鳥肌ものの歌を聴かせます。

【出会い】
 以前近所にあった中堅中古ショップで発見して即買い。以来、一度も実物を目にしていません。

【このアルバムについて】
 発売:1999年7月14日(廃盤)、入手:2007年10月31日
 CD入手困難度:★★★★☆
 (店頭やオークションではとんと見かけませんが、Amazonには多数あり)

01 Overture~あの夏へ
 作曲/RIZCO

02 真夏に生まれた天使達
 作詞/秋山空美、作曲/嶋 紀之、編曲/長谷川智樹

03 月蝕
 作詞/RIZCO・嶋 紀之、作曲/嶋 紀之、編曲/長谷川智樹

04 heaven on earth
 作詞/富田京子、作曲/杉 真理、編曲/宮田繁男、コーラスアレンジ/杉 真理

05 アイノコトバ
 作詞/大森祥子、作曲/嶋 紀之、編曲/KCP・RIZCO・嶋 紀之

06 Last Game
 作詞/秋山空美、作曲/嶋 紀之、編曲/長谷川智樹・嶋 紀之

07 別れの情景
 作詞/富田京子、作曲/RIZCO、編曲/佐藤 準

08 世界で一番遠い海
 作詞/秋山空美、作曲・編曲/宮田繁男

09 こぼれおちてゆくまま
 作詞/秋山空美、作曲・編曲/宮田繁男

10 月蝕 (Half Moon Mix)
 REMIXED BY KURIHARA & REMOCON TAMURA

11 Damage
 作詞/秋山空美、作曲/RIZCO・嶋 紀之、編曲/宮田繁男

12 永遠
 作詞/富田京子、作曲/RIZCO、編曲/長谷川智樹

 * * * * * * *

トータルプロデュースは嶋紀之さんとなっていますが、RIZCOさんご本人もサウンド作りに積極的に関わっている様子が、歌詞カードに1曲1曲書かれたご本人によるコメント(解説?)から伺われます。何度か聴いた後で、そのコメントを見ていただくと、一層味わいが増すと思われます。
曲の中身については、そのコメントを見ていただくのが一番ではありますが、強くプッシュしたいので少々・・

インスト+コーラスの静かな01から、そのまま突然視界が開けたように02に展開していく冒頭から、いきなりのけぞってしまいます。曲名、歌詞そのままにシーサイドドライブにぴったりな疾走感あふれる曲で、グイグイ引き込まれる感じです。
そして、アルバムタイトル曲の03は、決して激しい曲ではないけれどその歌唱力で圧倒されます。
夏の午後という感じの、ちょっとけだるげで、どこか懐かしさを感じさせる04で一息。
雑踏と公衆電話の音で始まる男女のドラマを描いたちょっと虚ろな05。
かつての「だけど、純情」あたりを彷彿とさせるパワフルな06や11。
あっけらかんとしたサンバ調の08、ミディアムのリズムとホーンが心地よい09。
10は、03のリミックス。ややスローでミステリアスな雰囲気です。
ラストはギターをメインにごく控えめな演奏でしっとり聴かせます。
と曲調も様々に、RIZCOさんのボーカルを生かし切った傑作揃いのアルバムです。

アップする曲選びは、タイプの違う3曲を候補に上げるまではよかったものの、それぞれに素晴らしいのでかなり悩みました。最終的には、ご本人単独の作曲の07をアップしました。それまでの黒沢律子さんには、こういったしっとりした曲のイメージってあまりなかったように思います。他の元気な曲に比べるとインパクトには欠けますが、素晴らしい一面が伺い知れるのではないでしょうか(夏向きの曲が多いアルバムなのに、この時期の紹介になってしまったという要素も少々・汗)。元プリンセス・プリンセスの富田京子さんによる歌詞もじんわりきます。

前述の通り、店頭では購入時のみ、購入後オークションで何度かチェックした時も、見たことがなかったので、当初激レア盤として紹介するつもりでしたが、Amazonで安価で多数出ているのを見て、愕然としました。出品数の多さというより、こんな傑作をその値段で売るとはけしからん、と・・・
といっても、これは作品の評価というより認知度の低さからくるものだと思われます。すなわち、RIZCOさんの正体が黒沢律子さんであることや、その歌唱力のスゴさが世間一般にはあまり知られていないということなのでしょう。

あらためて以前取り上げた「DISH」を聴き直しても、決して古い感じはしないのですが(「BLUE SKY」は比較的古典的かも知れませんが)、何でしょう、この「月蝕」を最初に聴いた時のインパクトは。恐ろしく洗練された印象で、DISHですでに完成されていたものを、さらに軽く超越してしまった感じでした。
90年代前半は、黒沢律子さんに限らず、ジャパニーズポップス全体が、その方向性を模索していた時代でもあり、荒削りな部分もあったということでしょうか。一方、この「月蝕」に関しては完全に現代に続くJ-Popへと脱皮したサウンドといえます。どちらがいいということではないのですが。
ちなみに、動画の最後に入れたのはシングル「さくら」のジャケット写真(裏面)で、このカップリングでは八神純子さんの「みずいろの雨」をカヴァーしています。CDのリリースは2001年の「melody」が最後で、翌年までのライブの情報はあるものの、その後の活動情報は残念ながら見られません。

90年代、紆余曲折ありつつも歌い続け、そのボーカルを極めていった黒沢律子さんは、私にとってはまさに90年代を代表するアーティストの一人です。復活してくれないでしょうか・・・

ライブレポート(読み応えあり!)
http://homepage1.nifty.com/QQQ/favorite/rizco.htm

CSでやってたライブ番組の記事らしいです
http://www.fujitv.co.jp/FACTORY/LOT0018/0001.html
http://www.fujitv.co.jp/FACTORY/CS0003/0001pro.html
http://www.fujitv.co.jp/FACTORY/CS0003/0001res.html

こちらでは、最後のアルバムの視聴ができます(廃盤なので購入はできません)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/42570

CD Journal
http://artist.cdjournal.com/d/-/3199051321

amazon
http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%88%E8%9D%95-RIZCO/dp/B00005HEZZ

| | コメント (4) | トラックバック (0)

GPz-R005. 黒沢律子 ♪Blue Sky

以前紹介したボーカリストの曲をYouTubeにアップして振り返るシリーズの第5弾は、当ブログのアーティスト別の検索ワードでも常に上位に入っている黒沢律子さんです。

すでにYouTubeに、デビュー曲の「純哀」がアップされていましたが、ちょっとツッパりすぎな感じのその手の曲より、こちらの方が万人受けする感じがします。

Sing Like Talkingの藤田千章さん、佐藤竹善さんによる詞曲を、ジョー・リノイエ氏がアレンジ、それに律ちゃんの伸びやかなボーカルがぴったりで、素晴らしくポップで爽やかなサウンドに仕上がっています。

これまでは、背景の画像としてジャケット写真などを入れてごまかしていましたが、今回は曲のイメージに合わせて写真を選んでみました。てか、単純に空の写真なんですけど・・・

【追記】YouTubeには一曲だけかと思ってたら、ほんの一月ほど前に「今日がSomeday」、「Old Tiny Pain」がアップされてました。

動画をクリックするとYouTubeのサイトで直接見られます。
URLはこちら↓
http://www.youtube.com/watch?v=4LZiErv9t7w

| | コメント (0) | トラックバック (0)

GPz009 黒沢律子 「DISH」

Disht_2

【特徴】
 水着グラビアなどもやっていて、2ndアルバムの超ボディコンの写真などからも、わりとアイドルっぽいイメージ、というかルックスを前面に出していたようですが、歌唱力はしっかりしています。
 特徴的でも特別パワフルでもないですが、クールで気持ちいい声はポップな曲によく合います。

【出会い】
 関東ローカルで深夜にやっていたテレビ番組「PRESTAGE」のオープニングにデビュー曲の「純哀」が使われていたことから、彼女を知りました。が、当時は邦楽にほとんど興味がなく、さわりだけだったせいもあり、特別引っかかるものはありませんでした。
 ガールポップにハマってからも、特別気にかけてはいなかったのですが、たまたま、中堅の中古チェーン店で新品同様の「Dish」が安価で売られていたので、なんとなく購入。
 そしたら、楽曲も声も予想外によかったのでした。断片的な印象というのは、よくよくあてにならないなぁ、と感じた一枚です。

【このアルバムについて】
 発売:1993年6月23日 購入:2007年4月29日
 CD入手困難度:★★★★☆
 (たま~に見かける程度)

 バブル末期の90年にデビューした彼女の4枚目のアルバム(ベスト盤を入れると5枚目)。
 かなりバブル引きずってますが(笑)、全編ポップでおしゃれな感じです。リゾート感溢れる曲もあり、海外の国名をあしらったジャケット裏からも、その路線を強調していることが伺えます。さらには、アレンジの多くを外人さんが手掛けています。
 初期のアルバムも悪くないのですが、個人的にはこのアルバムか3rdのPurityがお勧めでしょうか。歌詞カード的には、写真集的な構成の2ndもいいのですが(笑)

Dishr30_2

01 ディナー・タイム
 作詞/斉藤美和子、作曲/羽田一郎、編曲/Rod Antoon
 軽いアレンジでおしゃれな曲調ですが、アッシー君とのディナーでしょうか、かなりバブリーな内容です。「へい」とか「わ~お」という思わずひらがなで書きたくなる、イマイチやる気の感じられない掛け声もどうなんでしょう。

02 週末のマーメイド
 作詞/斉藤美和子、作曲・編曲/Joe Rinoie
 楽曲もボーカルも爽やかでリゾート感満点です。コナカCFイメージソングとなっていますが、あの頃のコナカというと松平健さんの印象が強過ぎるのか(?)記憶にありませんでした。

03 嘘でもロマンス
 作詞/斉藤美和子、作曲/水野雅夫、編曲/Joe Rinoie
 サンバのようなダンサブルなリズムで、ちょっと妖しい雰囲気が、海外でアブナい体験?という歌詞に合っています。

04 愛してなんかいない
 作詞/斉藤美和子、作曲・編曲/安田信二
 比較的穏やかなミディアムテンポの曲。歌詞に合わせたかのようなやや甘めのボーカルが美しいメロディーにぴったり合っています。

05 だけど、愛情
 作詞/風堂美起、作曲/尾関昌也、編曲/Joe Rinoie
 ビートの効いたハードな曲。前述のPRESTAGEの後番組「マグニチュード10」のエンディングテーマだったということで、聞いたことがあると思うのですが、記憶になかったです。
当時、あまり好きなタイプの曲ではなかったせいだと思いますが、聴き馴染んだ今はとても気に入っています。
それほどパンチはないのですが、しっかりしたボーカルを聴かせてくれます。

06 終止符のlegacy
 作詞/加藤健、作曲・編曲/Joe Rinoie
 こちらも比較的穏やかな曲調。相対的に地味な印象ですが、様々な音源で美しいサウンドを展開しています。

07 Blue Sky
 作詞・作曲/藤田千章&佐藤竹善、編曲/Joe Rinoie
 シンプルで明快なポップスで、個人的に一番のお気に入り。シングライクトーキングの藤田氏と佐藤氏の作品だったことを今回記事を書くにあたり初めて知りました。アレンジに加え、シンセとサックス、それにバックコーラスをJoe Rinoie氏が担当しています。

08 涙No-No-No
 作詞/三浦徳子、作曲/朝倉紀幸、編曲/鶴由雄
 テレビ東京「アンモナイト」オープニングテーマとのことですが、番組自体知りませんでした。イケイケな感じが05にかなり近い印象です。が、その05のシングルのカップリングだったそうで・・・そういうキャラで売ろうとしていたのでしょうか。

09 Truth
 作詞・作曲/藤田千章&佐藤竹善、編曲/Rod Antoon
 ポップな曲群から一転、アルバム中、唯一のスローバラード。はじめは多少違和感がありますが、とてもいい曲です。
 07同様SLTの2氏の作品でアレンジはSLTとの関係の深いRod Antoon氏。ひょっとすると、SLTバージョンが存在するのかも知れません。

 * * * * * * *

 外人のアレンジャーさんですが、Rod Antoon氏はシングライクトーキング、 久保田利伸、荻野目洋子ら、Joe Rinoie氏は森川美穂らをプロデュースしているようです。
 言われてみると、荻野目さんや森川さんとは、かなり通じるものがあります。

 黒沢律子さん自身、3rdアルバムまでは、若干の作詞を手掛けていましたが、このアルバムではなぜかノータッチです。
 これを最後に「黒沢律子」名義での作品はなくなり、女性二人組みユニット・b'Rougeの後、RIZCO名義でソロ活動をしていたそうですが、ここ数年の情報は残念ながら見受けられません。

 活動期間も長いし、実力もあったのに、ヒットには恵まれなかった不遇のボーカリストの一人といえます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)