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旅人は見た!ビジョ高原の夜

ここに一人の旅人がいる。

彼は今年も、仕事が落ち着く時期を狙って、ツーリングに出ようと思案しつつ、去年のロングツーリングの初日にあった忘れられない体験を思い起こしていた。

酷暑の中、朝から走り続けてきた彼は、美女高原キャンプ場に設営したテント内で、早々に寝床についた。
土曜であったが、キャンパーは別のライダーグループとファミリーを含め、3組のみ。
サイトに隣接した広場では、学校関係らしき団体がキャンプファイヤーを、その端のサイト側にある炊事場では、地元の若い男女数人がバーベキューに興じていて、少々騒がしかったが、広場から遠い位置に設営していた旅人はさほど気にすることもなく、間もなく眠りに落ちていった。

が、しばらくして異変に気付いて、目を覚ました。
時刻は22時頃だったか。キャンプファイヤーとバーベキューはまだ続いているようで、遠くから話し声が聞こえる。
そして、それとは明らかに違う別の反復する「鳴き声」がする。

最初、子供が泣いているのか、得体の知れない動物の声か、よくわからず聞いていたが、隣のファミリーキャンパーの子供たちは小学生くらいだったから、夜泣きするようには思えない。かと言って動物でもなさそうだ。

間違いない。人間の女性の声である。それも、アノ時の。

こ、これは・・・。考えられるのは隣のファミリーの若夫婦しかない。けど、あえてキャンプ場で?子供がいるのに。まさか・・・。けど、それにしては声が近過ぎるし、方角も違う気がする。

声のする方角は旅人のテントの正面だったので、旅人は意を決して静かに入口のファスナーを開けた。

声の出所は、やはり、隣のファミリーのテントではなかった。
広場からの明かりが、隣のテントと旅人のテントの中間にうごめく影を、うっすらと浮かび上がらせている。

草地の上に、一組の男女、いやオスとメスがいた。

アオ●である。

おそらくバーベキュー集団から離脱したのだろう。

上になっているオスの頭がこちらに向いていた。暗いしふかふかの草が茂っているため、下にいるメスの様子はよくわからないが、どちらも(少なくとも)上は着ているようだ。

旅人もン十年生きてきて、未知の世界を求めて旅もしてきたから、少々のことで驚かないことには自信があったが、この初めて見る光景には面食らった(正確に言うと「他人」のを「生」で見たのが初めてということだが)。

なして、こんなところで!!
仲間連中に声聞こえてるんじゃ?

けど、考えてみるとここいらの若者にとっては、自然なことなのかも知れない。
ホテルも、そうとう車を走らせないとないのだろう。
地方の人が結婚が早いのは、こういうことも大きな要因なのかなぁ、などと社会的な背景について思いを巡らしたり・・・したかどうかはよく覚えていない。
今考えると、もしかすると、美女高原という名前から、そこですると何か御利益があると信じられているのかも知れない。

幸いしばらくすると、一定以上に盛り上がることもなく、小康状態になった。
「鳴き声」は止み、なにやら、ひそひそとピロートークモードである。

旅人は、再び寝床に入ると、イヤホンを耳に押し込み音楽をかけた。
しばらく悶々としていたという話もなきにしもあらずだが、そのうち、また深い眠りに落ちて行った。

この後、8日間で雨に降られたのは山へ登った時の一度きり、という記録的なピーカンツーリングになったわけだが、その序章は、実は濡れ場から始まったのであった。

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コメント

GPzさんにしては、なかなか刺激的な記事ですな(笑)
今や電車の中も無法地帯ですからねぇ、羞恥心全く無し。困ったもんだ。

投稿: gop | 2011年9月 4日 (日) 19時12分

gopさん、コメントありがとうございます!
いやぁ、書くのをためらってて、一年近く経ってしまったわけですが、やはり貴重な体験ですから。
あ、というか、目撃した「旅人」もそう言っていました(笑)

投稿: GPz117 | 2011年9月 4日 (日) 22時39分

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