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GPz018. 斉藤美和子 「One Dozen Gentlemen」

Saito1dg

 ツーリングに行く前に温めていたアルバム紹介を一本。
 音楽に詳しい人が聴けば、いろんなイメージが浮かんでくるのでしょうし、私も研究してもう少し気の利いたことを書きたかったのですが、それはまたの機会ということで(笑)。
 インディーズ系のようですし、今まで紹介してきた普通のJ-Popとは一味も二味も違うので評価が難しいのですが、きわめてユニークな作品であることは間違いありません。

【特徴】
 声はきれいだし歌唱力もかなりなものです。声質は、My Little Loverのアッコにも似てますが、それほど舌足らずではないです。高音ではCyndi Lauperのようにも聞こえます。
 楽曲については、普通のガールポップのようなものを想像していると、かなり違和感があると思います。このアルバムが特殊すぎるのかも知れません。

【出会い】
 当時の女性ボーカルをさんざん物色している私ですが、この方は存じませんでした。レコファンの店頭で100円セールをしている中にあったので購入してみました。
 風呂用CDプレーヤー(一度収まるとよほど気に入らないものでなければ、しばらく入れっぱなしになる)に入れて聴いてみたところ、最初全体的に好きになれないサウンドで「すぐ交代かな」と思ったのですが、3回くらい聴くと馴染んできて、バリエーションに富んでいることもあり、一月以上の長期登板となり、今となっては「けっこういいかも」と思っています。

【このアルバムについて】
 発売:1995年(?)、入手:2009年7月19日
 CD入手困難度:★★★★★
 (オークションでもほとんど見られません。と思ったら再販ものがあるようで購入可能でした)

 全く予備知識なくかけてみたら、デュエット・ソングばかり。へぇ、そういうアルバムなんだと思ってジャケなどを見ると、デュエットの相手は全曲違っておりそれぞれ作曲も(大半は作詞も)手掛けているという作りになっていました(例外あり)。それで「1ダース(12人)の男性」というタイトルだったのですね。
無知な私は知っている方がほとんどいなかったのですが、詳しい人なら誰かを想像しながら聞くのが面白いと思います(だから、今回は作家名は入れません。どうしても気になるようならネットで探せば見つかります)。
男女のボーカル比はほぼ同等か、むしろ斉藤美和子さんが男性を引き立てているといった感じの曲もあります。
 聴いた当初、普段聴いてる女性ボーカルと全然違うので、「なんじゃこりゃ」という印象でした。2度3度と聴くうちに、1960~70年代の洋楽を意識したサウンドにしていることがわかってきて、逆にそこが面白く結構楽しめました。もしかしたら、聴く人が聴けばわかるテーマなりオマージュが込められているのかも知れません。
 なお、ジャケットや歌詞カードの表示にミスがあり、08と09が作家も含めそっくり入れ替わっています(ちゃんと訂正の紙片が入っていました。再販では改善されていると思います)。

01 コードレス
 最初聴いたときは、前述のとおり「なにこれ?」な感じ。けだるい雰囲気でメロディーもスッと入ってくるとは言い難いですが、大御所が書いています(その人の曲ってちゃんと聴いたことないのですが)。こういっちゃナンですが、「ゲゲゲの鬼太郎」にでも使われそうな、少々不気味な感じさえする国籍不明なサウンドです。

02 ベストカップル
 前半の力強く「ネコが今日死んでいた」を連呼するパートと、後半のソロパートに分けられますが、どっちをサビと捉えるのか、よくわからない曲です。斉藤美和子さんのソロパートはとてもいいし、全体の重厚なロック・サウンドも悪くないのですが、やはり歌詞が「なんだかなー」という感じです。

03 Lovin' Spoonful
 3曲目でようやく、素直に「いいな」と思える曲になりました。ちょっと南国の雰囲気もする穏やかな癒しサウンドです。タイトルの「Lovin' Spoonful」は歌詞に出て来るわけでもなく、1970年頃に活躍していた米国の同名バンドへのオマージュも示唆させますが、曲からはそういう感じは特にはしませんでした。

04 Kiss...
 出だしのジャーンというギターや、疾走感のあるキャッチーなメロディーラインは、The BeatlesのHard Day's Nightを思わせます。キーボードやギター、タンバリンなどのサウンドもいかにも60年代といった感じです。
 男性ボーカルの声からミスチルの桜井和寿かと思ったら、そんな誰でも知ってるミーハー(?)な人は出てこないのでした。
 しかし、「誰にもできないやり方で」するキスってどんなん?!

05 Earthquake Lovers
 淡々として少々虚ろな曲調ですが、ギターやピアノ(っぽいシンセ?)が主体でカラッとしているため、それほど暗い感じはありません。最初聴いたときCreamの「Sunshine of Your Love」を連想したのは確かこれですが、聴き込んだ今となってはそれほどでもないかな・・・。
 聴き込むと、哀愁を帯びたギターや軽やかなピアノが非常に心地よく響いてきます。

06 うた
 いかにも60~70年代のロックンロールといった感じ。荒削りなのですが、ノリもよくけっこういいです。男性ボーカルもサウンドも野性的で、例えるならストーンズあたりか?

07 私が服を脱ぐのを見てて
 全体的に、陰鬱でアングラな雰囲気です。男性ボーカルも井上陽水みたいなちょっと粘っこくクセがある声です。サビはそこそこキャッチーになり、シンディ・ローパーのような美和子さんの高音がなかなかよいです。

08 月の虹
 ハイトーンの男性ボーカルも爽やかなフォーク調の曲。今で言うなら「ゆず」みたいな感じ。穏やかで心安らぐ、誰もが馴染みやすいであろう一曲。

09 花のトリコ
 穏やかな曲調に、演奏も控えめで、美和子さんのきれいなボーカルが際立っています。ただ、オルガン調のキーボードは、当時風といえばそうですが、どこか陰にこもった印象を与えます。

10 どっちが幸せ
 演奏も歌詞もコミックソングのような雰囲気。途中からほとんどラップになってます。全然好きなタイプの曲ではないのに、悪くないな、と思えるところが不思議。
共演はイカ天にも出たバンドで一度聴いたら忘れないであろうバンド名ですが、私は初耳でした。しかも、70年代から現在も活動継続中のバンドというから驚きました。
なお、この曲の作詞を手掛けバンドのリーダー格だった人(この曲のボーカル?)は、すでに他界されています。

11 愛の奇跡
 これまたベタなまでにレトロ。タンゴだかルンバだか、ザ・ピーナッツあたりのイメージですね。デュエットだし、「だんご三兄弟」と重なる感じも大。
 いたって平和な曲、と思いきや、いかんせん一筋縄では済まされず、途中「伊勢崎町ブルース」も真っ青の喘ぎ声が入ります。妙にハイな男性ボーカルといい、ウケ狙いとも思える一曲。

12 パンの船
 最初、やや暗めのグループサウンズ(「若者たち」とか)を思い出してしまいました。同じメロディーを淡々と繰り返し、そのメロディーも3種類くらいしかありません。歌詞も含めて抑圧された若者のうめきを表現したような雰囲気。最後にしては地味かとも思いますが、なかなか味わいがあります。
あ、あとWalker Brothers の 「The Sun ain't Gonna Shine Anymore(太陽はもう輝かない)」にもちょっぴり似ているかも。

 * * * * * * *

音楽に詳しい人ならもっと的確な例えや説明ができるのでしょうが、今の私にはこのくらいが限界です。
ほとんど聴かない系統の曲も多いのですが、何度か聴くと不思議と不快な感じもなく、引き込まれるところがあります。
やはり、全曲違うソングライターが競作しているわけですから、各楽曲のレベルは高いのでしょうね。詞にも深いものがありそうですが、今回そこまで掘り下げる気力はありませんでした。

このアルバムに関しては、曲のバリエーションとその背景にある何かを考えるだけでも、かなり聴き応えがあると思います。ただ、サウンドに関して好き嫌いが分かれるかも知れないので、新品購入となると強力にお薦めはしません(中古で探すなら白い紙箱が目印です)。
斉藤美和子さんは、元々「タンゴ・ヨーロッパ」という女の子バンドの走りともいえるグループでデビューした後、ソロになった人で、現在も活動されています。表舞台にはあまり出ないようですが、再発されているアルバムも多数。歌は上手いし声もきれいなので、他のアルバムも聴いてみたいと思います。
なお、作詞では「さいとうみわこ」となっていて、他にもいくつかの別名を使っています。

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コメント

My Little Loverと言えば、先日a-nationで聞いて来ましたよ(味スタね(^^;;)GIRL NEXT DOORが以外とよかったなぁ。イベントそのものは音響効果がなってなくて、まipodの聞き過ぎで耳がどうかなってる若者向きって印象。あゆちゃんや倖田來未より東方神起の方が全然盛り上がってました(オバサンね(^^;;)

投稿: gop | 2009年9月10日 (木) 08時33分

gopさん、コメントありがとうございます!

野外フェスみたいなのに行ったのですね。けっこう今時の音楽も嗜むようで、ちょっと意外でした(^o^)
さすがにサウンドにはうるさいようで(^-^;)。そういえば、巷ではビートルズのリマスター盤が話題ですね。すごいファンではないのですが、興味をそそられます。gopさんのブログMONO MONOで、インプレッションが聞けることを期待しています♪

投稿: Sugar Time | 2009年9月11日 (金) 00時18分

斉藤美和子さんに触れている記事に初めて出合いました。私は残念ながらご紹介頂いているアルバムは持っていないのですが、『タイム・ミシン』と『ガール ミーツ ボーイ』の二枚を持っていたので早速、iPod にインポートして通勤途上聴いています。改めて聴くと、曲調に合わせて声を使い分けてるなぁと感じました。私がトシを取ったせいか、グッときてしまう曲もありました。(具体的には『ガール ミーツ ボーイ』に収録されている「Forever Love Song」って曲なのですが。)

レコファンと言えば昔、秋葉原とか西武新宿や渋谷に買いに行きましたが、今もあるのでしょうか?

投稿: HK | 2013年6月15日 (土) 13時03分

HKさん、コメントありがとうございます!
「ガール ミーツ ボーイ」は持っています。「Forever Love Song」私も大好きです!しかし声どっから出してるんでしょう^^;
レコファンやディスクユニオンは、ブック○フなどにはない通好みの品揃えで、マニアには支持されているようで、まだまだ健在ですよ(けど、なくなった店もあったかな)。

投稿: GPz117 | 2013年6月16日 (日) 00時07分

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